こんにちは。みんなのじもとマネー編集部です。
転職などで収入が減り、生活が困難になることは誰にでも起こりうることです。特にコロナウィルスや大地震などの自然災害が起こることもありえますよね。そんな時に年金制度には保険料が一時的に免除される制度があります。今回は年金制度の保険料免除システムである納付猶予制度についてご紹介していきます。
年金制度の免除の範囲は案外広い
国民年金には、保険料を払うのが難しい人のために届出や申請をして保険料が免除される制度があります。この制度は、第1号被保険者(自営業者や無職、フリーターなど)にのみ適用されます。保険料免除制度は、加入期間として計算されるだけでなく、保険料の一部を納めたことにしてくれる、とてもありがたい制度です。
保険料の免除には法定免除と申請免除の2つがある
1つ目の法定免除とは、届出をすることにより、保険料が全額免除されます。次のいずれかにあてはまる人が法定免除の対象です。
a)生活保護法の生活扶助を受けている人。
b)障害年金(1・2級)をもらっている人。
2つ目の申請免除とは、申請をし、認められることにより、保険料が全額または一部免除されます。次の人が申請免除の対象です。
a)生活保護法の生活扶助以外の扶助を受けている人。
b)障害者または寡婦(未亡人)で所得が125万円以下の人。
c)経済的な事情で保険料の支払いが困難な人。
収入は個人ではなく世帯全体で考える
免除制度のうち、2つ目の申請免除の「経済的な事情による申請免除」の場合は、所得の制限があります。この場合の所得制限は、本人だけでなく、配偶者や世帯主も見て判断されます。このうち誰か1人でも所得が多い場合は免除されません。ただし、失業した場合は特例があり、本人の所得を除外して、配偶者・世帯主の所得だけで判断されます。
申請する年度または前年度において退職した人が対象です。この場合、雇用保険受給資格者証か離職票が必要です。事業主の事業の休止、廃止も対象になります。また、震災や火災などによって財産のおおむね2分の1以上の損害を受けた場合(損害保険などの給付を受けた分は除く)も同様の特例があります。これらの申請は住所登録をしている市区町村役場の国民年金窓口で行います。
DVで別居した場合はどうなるの?
配偶者からの暴力(ドメスティックバイオレンス)により配偶者と別居している人は、本人の所得が一定以下であれば免除制度の対象となる制度があります。現在の分だけでなく、2年前までの過去分も対象になります。
保険料免除・納付猶予の基準は?
前年所得(1月~6月の申請では、前々年所得)が一定以下の場合、免除制度と納付猶予制度はどのように算定されるのでしょうか?違いをまとめたので、参考にしてください。
名称 | 免除割合 | 対象者の概要 | 所得を判断される対象者 | 次の年も免除・猶予制度を受ける方法 |
---|---|---|---|---|
法定免除 | 全額免除 | 障害者や生活扶助を受けている | 1回の届出により、法定免除の理由に談当しなくなる時まで有効 | |
申請免除 | 全額免除 4分の3免除 半額免除 4分の1免除 | 所得が一定顔以下または失業中などで支払いが困難 | 本人、配偶者、世帶主 | 全額免除の場合はあらかじめ申調することにより、毎年の申請が免除される(失業による場合は次の年も申請が必要) それ以外は翌年も申請が必要 |
学生納付 | 全額免除 | 20歳以上の学生で所得が一定額以下 | 本人のみ | 次の年も申請が必要 ※学生は申請免除を選択することはできない。 |
納付猶予制度 | 全額免除 | 50歳未満で本人、配偶者の所得が一定額以下 | 本人、配偶者 | あらかじめ申請することにより、毎年の申請が免除される |
今回は、年金制度の保険料免除、納付猶予制度についてご紹介いたしました。景気がいい時や安定した職についている場合は今回ご紹介した制度のお世話になることはないかもしれません。しかし、何か不幸があった際に、条件を満たせば知っているだけで金銭的に大きな援助を受けることが可能です。このような国の救済措置があることを覚えておきましょう。