みんなの年金

夫(妻)の職業の違いにより年金の受取額は全く変わります

厚生年金は、保険料が高い割に老後にもらえる年金が少ないため、損と考えてはいませんか?

確かに、払ったものに対するリターンを考えると得とは言えないかもしれません。しかし厚生年金からもらえるものは、老後の年金だけではありません。今回は気になる夫(妻)による職業による需給年金の損得についてご紹介していきます。

厚生年金は夫死亡時の生命保険と考える

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厚生年金とは国民年金と比べると保険料が高く、一見損な年金制度と捉えてしまいがちです。しかし厚生年金は、障害者になったときや亡くなったときの給付は、国民年金よりもかなり手厚い制度になっています。

国民年金の遺族年金(遺族基礎年金)は、子どもが小さい間は手厚いのですが、子どもが高校を卒業すると保障はなくなります。一方、厚生年金に加入していると、子どもが高校を卒業した後も、配偶者は死ぬまで遺族年金(遺族厚生年金)を受給することができます。

子どもが高校を卒業するまでは、遺族基礎年金と遺族厚生年金を両方受け取れます。ただし、配偶者が30歳未満の場合には5年しかもらえないなど、年金をもらうための要件がありますので注意しましょう。

25年加入最低保障の厚生年金は色々手厚い

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自営業者とサラリーマンでは、亡くなったときに遺族がもらう年金額に大きな差があります。厚生年金から受け取る年金の額は、払ってきた保険料と加入期間の長さに応じて決定されます。

遺族年金は最低25年加入保障があります。払ってきた保険料と加入期間の長さに関係なく、最低25年間は加入したとして遺族年金が支払われます。例えば入社後すぐに亡くなったとすると、実際の加入期間は数か月ですが、25年加入したものとして計算されます。

遺族年金としてもらえる分は、夫に掛ける保険が少なくてすむと考えることができるというわけです。一概に厚生年金は損だとはいえません。

国民年金や厚生年金は節税にもなります

国民年金や厚生年金には、節税効果もあります。これらの保険料は、全額が収入から控除されます。そのため、支払った額の約15~55%が返ってきます(収入によって税率が異なります)。

また、障害を負ってしまったときでも、軽度の障害でも給付される制度や配偶者の家族手当(加給年金)があります。

厚生年金は家族にやさしい年金制度

みんなのお葬式

今回は厚生年金の損得についてご紹介いたしました。厚生年金は国民年金と比べ、保険料が高いというデメリットがあります。しかし、世帯主が亡くなった時は、残された遺族たちが受け取る年金額が手厚いという大きなメリットもあります。

損得はその人の価値観や家族構成などに基づくので一概には言えませんが、厚生年金は家族にやさしい制度であること覚えておきましょう。

国民年金と厚生年金の受取額の違いをまとめてみましたのでぜひ参考にご覧ください。自営業の夫が亡くなったときは国民年金のみですが、サラリーマンの夫が亡くなったときは(厚生年金+国民年金)がもらえると言った違いがあります。

国民年金厚生年金
老齡毎年780,100円・払ってきた保険料と加入期間の長さに応じて計算
・国民年金に上乗せ
障害の状態になったとき1級障害:975,125円
2級障害:780,100円
・障害の程度は1級、2級に加えて、3級、障害手当金もあり、国民年金よりも範囲が広く手厚い。
・払ってきた保険料と加入期間の長さに応じて計算(25年の最低保障あり)。
・国民年金に上乗せ
死亡時780,100円+子1人あたり224,500円(子3人目以降74,800円)(原則「高校卒業までの子のいる配偶者」または「高校卒業までの子」に支給される)・妻(夫)がもらえる場合は、原則として妻(夫)が死ぬまでもらえる。
・掛けてきた保険料と加入期間の長さに応じて計算される(25年の最低保障あり)。
・国民年金に上乗せ