こんにちは。みんなのじもとマネー編集部です。
出産や育児で休暇を取れる制度があることを皆さんご存じだと思います。しかし、実際産休・育休の制度の内容やメリットについてどれくらい知っているでしょうか。今回は、気になる出産・育児休業の特例についてご紹介していきます。
保険料が免除され手当てももらえる。
少子化の影響により、産前産後休業や育児休業中はさまざまな優遇制度が用意されています。そもそも産前産後休業とは、産前6週間、産後8週間の休業期間のことです。育児休業は申し出ることにより、子どもが1歳に達するまでの期間、取得することができます。(一定の要件を満たす場合は子が最長2歳に達するまで可能です。)
休業中の給料の保障として、健康保険やハローワークから給付金をもらえる他、産前産後休業中・育児休業中の社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)が免除されます。免除は本人だけでなく、会社も対象になります。
育児休業の給付金は、ハローワークから50%(180日間は67%)(育児休業給付金)です。さらに出産育児一時金は、原則として1児につき42万円支給されます。免除される期間は、産前産後休業を開始した月から職場復帰の前月までで、最長で子が3歳になるまでです。免除された期間は、保険料を払ったものとして年金は計算されます。
この制度は、育児休休業を取得しても年金が減らないように、という趣旨でできました。また、産前産後休業中は、健康保険から「標準報酬月額÷30」の3分の2が「出産手当金」としてもらえます。この場合の標準報酬月額は、平成28年4月1日以降は支給開始日以前の1年間を平均して算出することになりました。
給与が減っても安心。保険料は改定してくれる
産後休業・育児休業から職場復帰して、短時間勤務をするなどによって給料が下がることがよくあります。この場合、会社を経由して届出をすれば、下がった月から3か月間の給料を平均して標準報酬月額が改定されます。
通常、給料が下がったことによる「随時改定」のルールは
①固定的な給料の変動が原因
②2等級以上の差が生じる
③3か月とも出勤日数が17日以上ある(短時間労働者は11日以上)
上記の3つの要件を満たす必要があります。しかし、育児休業から復帰したときは1等級の差でも改定されます。なお、3か月間のうち、給料計算の基礎となった日数が17日未満(短時間労働者は11日未満)の月があれば、その月は除いて平均を計算します。
この制度も法改正により、産前産後休業終了時に給料が下がった場合でも使えるようになりました(平成26年4月から)。つまり、復帰後給与が減っても、産休に入る前の収入があった時の高い保険料を払わなくて済む対策がとられているわけです。
給料が下がっても将来の給付額は変わらない制度
短時間勤務をするなどで給料が下がった場合、年金計算上では給料は下がったものとして計算しないという特例もあります。給与(標準報酬月額)が下がったにかかわらず、です。これはとってもお得ですよね?
安い保険料を支払いながら、高い保険料出產・育児中を支払ったものとして年金を計算してもらえる子育て家族にとっても優しい制度です。この制度は、育児休業を取得したかどうかに関係なく、子が3歳になるまで使えます。男性でも要件があえば特例の届出ができ、夫婦それぞれが届出することもできます。
国からのサポート充実の産休育休は取得すべき
今回は、出産・育児休業の制度の内容、メリットなどをご紹介いたしました。少子化の影響により、産休、育休には様々な経済的サポートが整備されています。寿退社をしてゆっくり子育てをすることも良いかもしれませんが、産休・育休制度を利用すれば、経済的な優遇がかなり受けられることをぜひ知ってくださいね。
厚生年金の特例と手続き方法
まず初めに「産前産後休業取得者申出書」を提出します。次に育児休業期間に入る時に「育児休業等取得者申出書」を提出します。育児休業が終了し時短勤務に入ったら下記の書類を提出してください。
・育児休業等取得者終了届
・育児休業等終了時報酬月額変更届
・養育期間標準報酬月額特例申出書
なお、これらの書類はすべて勤務している会社から年金事務所に提出してもらえます。