国民年金制度は基本的に自分で働いた収入から、保険料を払うことで将来年金がもらえる制度です。しかし、専業主婦などは収入がありません。ところが要件を満たす場合は、無料で年金制度に加入できるのです。今回はこの無料で加入できる第3号被保険者の届け出についてご紹介していきます。
第3号被保険者ってどんな人?
日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人は全員国民年金に加入することになっています(強制加入)。誰もが国民年金の加入者(被保険者)として、第1号から第3号の3つの種別に分けられます(外国人は特例あり)。
今回説明するのは、第3号被保険者についてです。第3合被保険者とは、第2号被保険者に扶養されている配偶者(専業主婦)で20歳以上60歳未満の人が該当します。つまりサラリーマンの妻や夫などです。
手続きは配偶者の勤務先にしてもらおう
第3号被保険者が加入する時は、配偶者の勤務先を経由して届出をします。第3号被保険者届では、扶養家族の続柄を確認するため、戸籍騰(抄)本または住民票を添付し、書類を提出することが必要です。
しかし、マイナンバーの利用することで戸籍騰(抄)本または住民票を添付することを省略できます。政府としては今後マイナンバーカードの利用拡大を推奨しており、手続きの簡素化には便利な方法です。
理由があれば2年を超えて届出できる
第3号被保険者(サラリーマンの妻・夫)なのに届出しないと、その間は保険料未納期間とみなされます。未納となると、将来受け取る年金額が少なくなるので注意が必要です。過去に第3号被保険者として届出をしていない期間がある場合、さかのぼって届出することができるのは、本来は2年前までです。
しかし、2年以上さかのぼり、届出することができる特例ができました。認められる期間は、時期によって異なりますが下記の通りです。
①昭和61年4月~平成17年3月(今からでも手続きをすれば、さかのぼって加入できます。)
②平成17年4月以降(やむをえない理由で届出をしていない場合のみ届出ができます)。
第3号被保険者の特例は、老齢基礎年金をもらっている人も届出が可能です。その結果受け取る年金の額が増えます。また、65歳以上で老齢年金を受け取るのに必要な加入期間を満たしていない人も、特例の届出ができます。この届出により、加入期間が満たされる場合は、老齢年金がもらえるようになります。
専業主婦は無料で加入可。未納に注意しよう
今回は第3号被保険者の届け出についてご紹介いたしました。収入がない専業主婦などは、無料で加入できるお得な制度です。しかし、一般的に女性の場合、子どもの成長に合わせて収入が変化しやすく、加入する年金制度を変更しなければいけない機会が多くあります。
未納扱いになって、将来受け取る年金額が減ってしまうことがないように、手続きには注意しましょう。また、2年以上さかのぼって納付が可能な特例ですが、会社は社会保険に加入手続をしたが、本人は知らされていなかった場合、被保険者本人がずっと3号のままと誤解していて届出をしなかった場合などに適用されます。